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9月のZoomレメディ研究部 活動報告 ウィロー

ウィロー
ウィロー1
日本の時代ものの映像にはよくウィロー(ヤナギ)が登場します。村はずれに、渡し場に、墓地に、遊郭の入り口に、堀端に…どれも、こちらとあちらを隔てるような場所です。
西洋でもウィローはケルトの木の暦の五番目の月に象徴されたり、たくさんの神話に神の化身として描かれたりしている樹木です。季節の境、生と死の狭間に存在する植物のようです。

弱音も吐かず愚痴も言わず、人知れぬ苦労や報われぬ努力をし続けてきた人。我慢して頑張って、介護と仕事の両立をして疲れ果てた人。「誰も手伝ってくれない」という不満と孤独を感じながら一人で子育てをされた人。
心に渦巻く悲しみや憤りを表には出さず、自分は大切にされていない、自分だけどうしてこんな目に合わねばならないのか、こんな状況から消えてしまいたい、という思いに囚われてしまう。
または、深いレベルに押し込められた感情が体の深部に現れるように、ストレスの後に大腸の病を繰り返すケースもあります。そんな時に思い出すのはウィローです。

悔しさや理不尽な思いを誰かに話したらよかったのでしょうか。
声に出し、誰かに助けを求めたらよかったのでしょうか。
バランスを欠いたウィローの人は、感情を表に出さず押し込め、抑圧してしまいます。アグリモニーを併せ持つケースも多く、笑顔で明るくふるまうため、つらい気持ちは周りの人からは見えないことが多いようです。
恨みつらみを、家族の前でだけ出してしまう方もあります。ご家族の辛さはいかばかりと思いますが、甘えられる安心感がそこだけにはあったのではないでしょうか。心の中には、共感してもらいたい、大切にされている実感が欲しいという悲愴な声がこだましているのです。
不公平だ、うらめしいと思うウィローは、失意と絶望のカテゴリーに分類されます。私たちが生まれながらに持っている「尊厳」が傷つけられる一大事なのです。

バッチ博士は、魂は私たちに最もふさわしい生命の枝に私たちを配置するのだと言います。
「バッチのフラワーレメディ植物のかたちとはたらき」p.218には、多くを背負える人にしか、多くの重荷は与えられません。と。「バッチフラワーエッセンス辞典」p.211に、すべての出来事は、起きるべくして起きるのであり、常に正しく、自分にふさわしい事柄なのです。と書かれていますが、「どうして私がこんな目に遭わなければならないのか」と悲しみ、憤りを感じているときにはなかなかそうは思えず、苦しい気持ちになってしまいます。

人に頼って生きようとする、頑張りすぎる、柔軟性に欠ける、表に出さない、いつも我慢してしまう、感情を爆発させる、批判的になる、受け取るばかりで与えることをしないなど、自らウィローになってしまうような性格やウィローが高じて顔を出す性格もあるように思います。
外から来た物事をどう受け止めて処理するか、内側を外に向けてどう出していくかで、大きな違いが現れますね。
ウィローと組み合わせて飲むレメディがたくさんありそうです。

月とウィローと水
水辺に育ち、しなやかで水分を含むウィローを、カルペッパーは「月」の影響を強く受けた樹木だととらえました。満ち欠けを繰り返す月のリズムと潮の満ち引き、その中にある命の再生や、水がもたらす豊穣の母性的な生のエネルギーが連想される反面、銀色の月明かりの下の魔女の儀式、狂気と結びつけられた満月、腐敗しやすさ、黄泉の国への入り口など、死の世界も連想されます。二つの世界の境界を守るウィローは生成と消滅の力を持つ、永遠の循環の象徴と言えるのではないでしょうか。

「バッチのフラワーレメディ植物のかたちとはたらき」p.217 には、水に対する親和性は、いかにウィローの人が不満や非難といった感情的な出来事を心の糧にしているのかを表しています。あらゆる水性植物に激しい感情の表れが見られます。とあります。
水は水蒸気になり雲になり、渦を巻き気圧を生み、様々な気象現象を起こします。その激しさの源はやはり水だと感じます。「ヒーリングハーブス」p.56 には、ウォーターバイオレットが人類の持つ痛みに静かに悲しむのに対し、ネガティブな状態のウィローは、自分の個人的な問題について苦々しく不満を言います。と記されています。
水性植物ではないですが、水際のギリギリな場所に生息するミムラスも、不安に怯える弱々しさとは反対の、打たれてもちぎれても流れても、たどり着いた先で根を生やして生きていく強さを持っています。
不安も悲しみも不満が強く渦巻くほど、それを乗り越える強さを持っているように思います。光が強いほど影が濃くなるように、まばゆいほど逆に漆黒の闇を持つように、その強さには目を見張るものがあります。

ウィローが見せてくれる世界
1936年「12の癒し手とその他のレメディ」で、バッチ博士はウィローについてこう記しました。苦労や逆境に苦しんできた人に。人生がもたらす成功によって多くを判断するため、困難な経験を不満や憤りなくして受け入れるのが難しい人に。
人生がもたらす成功というのは、社会通念や常識的な固定観念、という物質的なものを基準にしているように感じます。
「バッチの花療法」p.271 には豊かな人生であるかどうかを、物質的な基準で判断し…とあります。 逆に物質的以外の基準とはどのようなものか、考えたことはあるでしょうか?
「バッチフラワーエッセンス辞典」p.210~ には、基準となるものを正義として、こう記されています。正義とは、外側から判断できる非個人的要因や前もって定められた基準ではなく、人生の本質に基づいています。…個人的な都合のためにあるのではなく、人間の理性を越え、世界に根本的に基づいた“神的”秩序の表現として働いているのです。 
個人から一気に神的秩序へと飛躍して戸惑いますが、自分のため→顧客のため→会社のため→経済のため…と段階的に考えていくと理解しやすいでしょうか。個人的に受けた理不尽な仕打ちや湧き上がる激しい憤りを、お客様のため、バンカーとしての正義をもとに倍にして返す“半沢直樹”は、ウィローのポジティブな強さを持っているように思います。悲劇のヒロインが魔法の力で幸せになったり、成長して自分の力でそこから脱したり…そんな物語も私たちは好みますね。尊厳が踏みにじられる姿に自分を重ね、それを回復していく姿に安心と喜びを感じるということでしょうか。
「花と錬金術」p.174 運命の犠牲者であることから脱して、自ら運命を支配して…苦しみや怒りをバネにして自らの力にする、したたかさとしなやかさをもたらしてくれるでしょう。とウィローのレメディについて記されています。

「バッチフラワーエッセンス辞典」p.214に、世界で起きていること全体は、切り離すことのできないほど入り組んだもので… 誰かのせいで自分だけが不幸になっているわけではなく、高い視座から見ればみな平等に人生の出来事は与えられています。縦横に絡まりあう糸は自分の外の世界だけではなく、自分の内と外にももつれを起こしています。可哀そうな私、ひどい仕打ちを受ける私、あの人のせいだ…と思っている自分は、自分の生きる世界に理不尽で不公平で自分が被害者であるような人生を映し出してしまうのです。

受容―ウィローのその先へ
諦めは何も生みません。自己憐憫に陥り嘆いているだけではそこから前には進めません。
「バッチのフラワーレメディ植物のかたちとはたらき」p.218 には …その重荷を不満も言わずに引き受け、苦々しい思いを快い受容へと変容させることによって、この世に生きる魂の意識の進化に、本当に貢献できるのです。
「バッチフラワーエッセンス辞典」p.210 ウィローの素質がバランスよく伸ばされると…人生の変化にうまく順応できる…人生の楽しい面だけを享受せず、失敗や困難や喪失体験…素直に受け入れ…すばらしい受容能力を持ち合わせている… p.211 自分が不正に扱われていると感じることは決してありませんし、またそう感じることで生じるあらゆる苦しみからも解放されています。とあるように、
高い視座から眺めて置かれている自分の場所を受け入れる、与えられた試練を乗り越えようと境界を越えて踏み出そうとする強い意志を発動させたいです。自分の人生を、与えられた困難を引き受けることは自分にしかできません。

傍から見てもむごい大きな災害に遭われた方々に共通した、諦めのそのあとに見出そうとしている神々しいほどの光は、失意と絶望を超越した受容の形でしょうか。混沌から生まれる秩序、絶望から生まれる希望といった散逸構造論の解釈からも、大きなストレスを受けた人が逆境を母体として鋭い洞察力や高度な自覚が生まれることは言われています。 

昨今のコロナの状況下、匿名化、孤立化していく社会に私たちはウィローの感情を味わうことが多くなっているように思います。顔を半分覆ってしまうマスク、オンラインで感じられない体温や息遣い、それは自分自身というものが薄くなっていくようなものなのかもしれません。人の尊厳が知らず知らずに蝕まれていくような不安。失っていくものを取り戻したい、繋がりたいという気持ちを叶えてくれるのは、天と地を循環する水の力を持つ、津々浦々につながる水の力を持つウィローなのではないでしょうか。
受容し変容し、新たなる場所を目指したい。水辺に揺れるヤナギの美しい緑の葉のように、自分の人生の主人公として命の喜びに溢れ、熱っぽく、しなやかにしたたかに生きていきたいと思います。
ウィロー2-2

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bachmania38

Author:bachmania38
東海地区バッチフラワーレメディのプラクティショナーのコミュニティー「BFRP東海」のちょっとマニアックなブログです。

バッチフラワーレメディやレメディの開発者であるバッチ博士の哲学の研究や研修の報告をはじめ、レメディのもとである植物の詳しい観察記録などを綴っていきます。

公式ブログ「バッチフラワー東海だより」のきょうだいブログです。

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