第18回レメディ研究部活動報告 ハニーサックル
- 2017/10/20
- 20:27
ハニーサックル
今日は金木犀の香りが秋雨に溶けて、私たちを過去へと静かにいざなうようです。ハニーサックルの学びに似つかわしい、そう思いました。
ハニーサックルはバッチ博士が必要に迫られて見つけ出した後半の19のレメディの一つです。神話や宗教的な付合による構想から見つけられた7ヘルパーズたちとは違いますが、種小名のcaprifolium→ヤギのcapri→山羊座→一月January→Janus(ヤヌス)神→過去と未来を見つめる二つの顔…まだ真冬の一月に新芽が動き始めるハニーサックルのジェスチャーと、これらの関わりはとても興味をかき立てられます。
さて、ハニーサックルのレメディを使う時の私たちはどんな気持ちなのでしょうか。
辛い今から逃れたくて、もう二度と来ないであろう幸せな過去に浸る状態だけに使うと思う方も多いようです。
しかし、良き思い出と、忘れてしまいたいようなことの両方を含んだ過去を見つめて「あのような幸せは もう来ないだろう」と思うハニーサックルには深い意味が隠れているような気がします。
穏やかな現在を過ごしているからこそ、とてもとても辛い過去を振り返った時、それはノスタルジーとでも言いましょうか、もう自分が身を置くことができない場所を懐かしく思い出すような感覚に陥ってしまう。
もう決して戻れないあの時の自分を幸せな懐かしさでよみがえらせていますね。
この場合は、今の自分に安定感、満足感、感謝の気持ちがある状態だということが特徴であるように思います。自己肯定感とも言えるかもしれません。
コンサルテーションでハニーサックルのネガティブな感情を出される相談者さんの、現在の状況に焦点を当ててみるとハニーサックルの真価がわかるかもしれませんね。
バッチ博士は、「この薬剤は心の中から過去にまつわる後悔や悲しみの念を取り除き、過去に受けた影響や執着をすべて消し去り、私たちを現在に引き戻してくれる。」と言われました。花療法p.138には「過去にしがみつき、過去の体験を十分に消化していない…」状態であるとも書かれています。
癒やされていない部分が残っていて、それをハニーサックルが癒やしてくれる。でもそう考えるとハニーサックルとスターオブベツレヘムとの境界がぼんやりとしてくるかもしれません。
そんな時は花の姿を思い浮かべてみますと、その違いがなんとなくわかるような気がしませんか。
スターオブベツレヘムの真っ白で幾何学的な六角形の花は、感情の動きも止まってしまうほどのトラウマを癒やしてくれるよう。
そしてハニーサックルは柔らかくカーブを描いている赤い花が、どこかノスタルジーを誘うように、今に余裕はあるけれど過去に向かってしまう感情を癒やしてくれるよう。
加えて、ハニーサックルの過去の思い出には愛が溢れているような感じがします。
もうすこしスッキリと、こんな受け止め方はどうでしょう。
英語の文法のように、ハニーサックルをBe動詞の過去形wasととらえ、そこに怒りがある場合
I was angry. →ハニーサックル&ホリー
このように、過去のどんな感情にこだわっているかでレメディの組み合わせを考えてみることも、できるかもしれません。おもしろいですね。

後半の19のレメディは目立たぬ樹木の花が多い中、ハニーサックルの赤色はとても鮮烈な印象を与えてくれます。レッドチェストナットの赤もそうですが、赤は外や前へ向かうエネルギーを持つ色です。フラワーエッセンスヒーリングp.176には「赤は肉体的な次元に最も作用する活動的な色です」とあります。
赤い花にドキドキと惹かれてハニーサックルを飲んだ夜に、小学生の時の夢を見ました。まるで過去に旅をしてきたようでした。そういえば「行きたいところはどこですか?」とい問いに、「過去に行きたい」と思ったものです。癒やされないものがまだそこにあるのか、ただ懐かしいのかはわかりませんが、前を向いていく力は過去にあるように思います。
花療法p.138にはこんな記述もあります。「過去についてあらゆる角度から考えようとはしません。…つらく嫌な思いをした経験を人格形成に役立てることができません」ずっと過去に生きて、今の出来事にそれを生かせないのはとてももったいないとも思えます。そんな時はチェストナットバットも思い浮かびますね。
大事な過去を忘れてしまう事への罪悪感、パインとの関係もあるでしょう。
また、お年寄りが辛い戦争の話しを繰り返す時や、余命を悟った患者さんが人生を振り返る話しをされる時、ハニーサックルとヘザーの状態が一緒に現れたような状態になってしまうことがよくありますが、それはご本人の記憶の整理、人生の整理には必要なプロセスでもあると思われます。その経験があったからこそ、今の自分があると自己を肯定していくことにもつながるわけですね。
かたちとはたらきp.261-3には、「パインのレメディが、過去を見直す旅に連れ出してくれることで、私たちは現状をより的確に捉えられるようになります。」とあり、その結果、過去にはまり込んで戻ってこられないような状態に手を差しのべてくれるのがハニーサックルです。過去に引っ張られるということはそこから学べることがあると教えてくれている事なのかもしれません。今の自分を肯定するために、恐れずに過去に戻ることも大切です。
過去の思い出が染みついた物、愛着のある車、自我を明け渡すように愛したペット…それを失った喪失感、忘れることができない過去に囚われてしまう。それは他人には想像できないものでしょう。
そのために今に支障をきたしている場合はハニーサックルのレメディが必要です。
囚われる、こだわる、縛られるという状態は、巻き付く蔓のジェスチャーが表しています。

バッチフラワーエッセンス辞典p.86には「ハニーサックルタイプは子どもの頃、人より敏感で、幸福感を求める気持ちが強かったはずです。このタイプの子どもは…現実ら身を隠すことのできる美しい経験という糸で織りなされた繭から…情け容赦なく引きずり出され、無味乾燥な現実に乱暴に直面させられたり、詩的な体質が理解されず口うるさくしつけられたりすると、本能的な防衛反応から安全な世界に引きこもり、普通の生活には不向きな大人に成長していくことになるでしょう。」という興味深い記述があります。感覚が研ぎ澄まされているともいえるこのようなタイプと、香りのあるハニーサックルの関係。かたちとはたらきp.263-3には「香りほど早く、想像を過去へと運べるものはない…香りは記憶の鍵を握っている」とあります。経験からも深くうなずける記述です。
フラワーエッセンスレパートリーp.382には、調和の取れたハニーサックルの性質は「今、ここにしっかりと存在することができる。過去から学び、同時に過去を手放すことができる」と書かれています。関連項目にはこんなワードもあります。「羨む、郷愁、拒む、避ける、手放す、逃避、老齢、…」
そして、「時間の流れを泳ぎ進まないと、過去に溺れるか、未来の可能性を干からびさせてしまうことになる。ハニーサックルを必要とする人は、過去の出来事や場所、人間関係の中にのみ住み続けることで、生命エネルギーを窒息させ、自らの真の進化を拒んでいる。」とあります。

場所、物、出来事や人間関係…それはこの物質世界に存在するものですが、そこにはりついた感情を伴った過去や記憶をハニーサックルは切り離してくれるのでしょう。浮かび上がらせた過去を癒し、物質と共に手放すことで、高次の自己に向かって今を生きることができる。高次の自己を目指すために過去を癒すハニーサックルが貫生葉を突き抜けて花を咲かせる姿は、過去を突き抜けて高次の自己に向かう私たちの姿のようですね。
断捨離をしたいのだけれど、なかなか思い切れないという場合は、物そのものが捨てられないというよりは、物にまつわる思い出や、その物にこめたエネルギーや気持ちにとらわれていると考えると、ハニーサックルの力を借りることができそうですね。
ハニーサックルは、和名を「すいかずら」、忍冬とも言い、葉をつけたまま寒い冬を堪え忍ぶ姿も彷彿とさせます。
花の香りはカクテルや香料に、樹皮や葉や種子や根や花は植物療法、生薬に使われます。
心身の両方に働きかけてくれるのです。
かたちとはたらきp.263には「茎は、地面に達すると、親植物から分かれて新しい植物として根を張り、上に向かって成長できます。」とありますが、このジェスチャーはまさに過去を振り返って癒やし、現在を生き、前に向かっていく姿を表しているようです。

今日は過去の記憶をたどり、今の自分を見つめながら、ハニーサックルのジェスチャーや持ち寄った本の記述から浮かび上がるレメディの働きについて深く考える佳き時間を過ごせました。
次回はワイルドローズです。ぜひご一緒に。
今日は金木犀の香りが秋雨に溶けて、私たちを過去へと静かにいざなうようです。ハニーサックルの学びに似つかわしい、そう思いました。
ハニーサックルはバッチ博士が必要に迫られて見つけ出した後半の19のレメディの一つです。神話や宗教的な付合による構想から見つけられた7ヘルパーズたちとは違いますが、種小名のcaprifolium→ヤギのcapri→山羊座→一月January→Janus(ヤヌス)神→過去と未来を見つめる二つの顔…まだ真冬の一月に新芽が動き始めるハニーサックルのジェスチャーと、これらの関わりはとても興味をかき立てられます。
さて、ハニーサックルのレメディを使う時の私たちはどんな気持ちなのでしょうか。
辛い今から逃れたくて、もう二度と来ないであろう幸せな過去に浸る状態だけに使うと思う方も多いようです。
しかし、良き思い出と、忘れてしまいたいようなことの両方を含んだ過去を見つめて「あのような幸せは もう来ないだろう」と思うハニーサックルには深い意味が隠れているような気がします。
穏やかな現在を過ごしているからこそ、とてもとても辛い過去を振り返った時、それはノスタルジーとでも言いましょうか、もう自分が身を置くことができない場所を懐かしく思い出すような感覚に陥ってしまう。
もう決して戻れないあの時の自分を幸せな懐かしさでよみがえらせていますね。
この場合は、今の自分に安定感、満足感、感謝の気持ちがある状態だということが特徴であるように思います。自己肯定感とも言えるかもしれません。
コンサルテーションでハニーサックルのネガティブな感情を出される相談者さんの、現在の状況に焦点を当ててみるとハニーサックルの真価がわかるかもしれませんね。
バッチ博士は、「この薬剤は心の中から過去にまつわる後悔や悲しみの念を取り除き、過去に受けた影響や執着をすべて消し去り、私たちを現在に引き戻してくれる。」と言われました。花療法p.138には「過去にしがみつき、過去の体験を十分に消化していない…」状態であるとも書かれています。
癒やされていない部分が残っていて、それをハニーサックルが癒やしてくれる。でもそう考えるとハニーサックルとスターオブベツレヘムとの境界がぼんやりとしてくるかもしれません。
そんな時は花の姿を思い浮かべてみますと、その違いがなんとなくわかるような気がしませんか。
スターオブベツレヘムの真っ白で幾何学的な六角形の花は、感情の動きも止まってしまうほどのトラウマを癒やしてくれるよう。
そしてハニーサックルは柔らかくカーブを描いている赤い花が、どこかノスタルジーを誘うように、今に余裕はあるけれど過去に向かってしまう感情を癒やしてくれるよう。
加えて、ハニーサックルの過去の思い出には愛が溢れているような感じがします。
もうすこしスッキリと、こんな受け止め方はどうでしょう。
英語の文法のように、ハニーサックルをBe動詞の過去形wasととらえ、そこに怒りがある場合
I was angry. →ハニーサックル&ホリー
このように、過去のどんな感情にこだわっているかでレメディの組み合わせを考えてみることも、できるかもしれません。おもしろいですね。

後半の19のレメディは目立たぬ樹木の花が多い中、ハニーサックルの赤色はとても鮮烈な印象を与えてくれます。レッドチェストナットの赤もそうですが、赤は外や前へ向かうエネルギーを持つ色です。フラワーエッセンスヒーリングp.176には「赤は肉体的な次元に最も作用する活動的な色です」とあります。
赤い花にドキドキと惹かれてハニーサックルを飲んだ夜に、小学生の時の夢を見ました。まるで過去に旅をしてきたようでした。そういえば「行きたいところはどこですか?」とい問いに、「過去に行きたい」と思ったものです。癒やされないものがまだそこにあるのか、ただ懐かしいのかはわかりませんが、前を向いていく力は過去にあるように思います。
花療法p.138にはこんな記述もあります。「過去についてあらゆる角度から考えようとはしません。…つらく嫌な思いをした経験を人格形成に役立てることができません」ずっと過去に生きて、今の出来事にそれを生かせないのはとてももったいないとも思えます。そんな時はチェストナットバットも思い浮かびますね。
大事な過去を忘れてしまう事への罪悪感、パインとの関係もあるでしょう。
また、お年寄りが辛い戦争の話しを繰り返す時や、余命を悟った患者さんが人生を振り返る話しをされる時、ハニーサックルとヘザーの状態が一緒に現れたような状態になってしまうことがよくありますが、それはご本人の記憶の整理、人生の整理には必要なプロセスでもあると思われます。その経験があったからこそ、今の自分があると自己を肯定していくことにもつながるわけですね。
かたちとはたらきp.261-3には、「パインのレメディが、過去を見直す旅に連れ出してくれることで、私たちは現状をより的確に捉えられるようになります。」とあり、その結果、過去にはまり込んで戻ってこられないような状態に手を差しのべてくれるのがハニーサックルです。過去に引っ張られるということはそこから学べることがあると教えてくれている事なのかもしれません。今の自分を肯定するために、恐れずに過去に戻ることも大切です。
過去の思い出が染みついた物、愛着のある車、自我を明け渡すように愛したペット…それを失った喪失感、忘れることができない過去に囚われてしまう。それは他人には想像できないものでしょう。
そのために今に支障をきたしている場合はハニーサックルのレメディが必要です。
囚われる、こだわる、縛られるという状態は、巻き付く蔓のジェスチャーが表しています。

バッチフラワーエッセンス辞典p.86には「ハニーサックルタイプは子どもの頃、人より敏感で、幸福感を求める気持ちが強かったはずです。このタイプの子どもは…現実ら身を隠すことのできる美しい経験という糸で織りなされた繭から…情け容赦なく引きずり出され、無味乾燥な現実に乱暴に直面させられたり、詩的な体質が理解されず口うるさくしつけられたりすると、本能的な防衛反応から安全な世界に引きこもり、普通の生活には不向きな大人に成長していくことになるでしょう。」という興味深い記述があります。感覚が研ぎ澄まされているともいえるこのようなタイプと、香りのあるハニーサックルの関係。かたちとはたらきp.263-3には「香りほど早く、想像を過去へと運べるものはない…香りは記憶の鍵を握っている」とあります。経験からも深くうなずける記述です。
フラワーエッセンスレパートリーp.382には、調和の取れたハニーサックルの性質は「今、ここにしっかりと存在することができる。過去から学び、同時に過去を手放すことができる」と書かれています。関連項目にはこんなワードもあります。「羨む、郷愁、拒む、避ける、手放す、逃避、老齢、…」
そして、「時間の流れを泳ぎ進まないと、過去に溺れるか、未来の可能性を干からびさせてしまうことになる。ハニーサックルを必要とする人は、過去の出来事や場所、人間関係の中にのみ住み続けることで、生命エネルギーを窒息させ、自らの真の進化を拒んでいる。」とあります。

場所、物、出来事や人間関係…それはこの物質世界に存在するものですが、そこにはりついた感情を伴った過去や記憶をハニーサックルは切り離してくれるのでしょう。浮かび上がらせた過去を癒し、物質と共に手放すことで、高次の自己に向かって今を生きることができる。高次の自己を目指すために過去を癒すハニーサックルが貫生葉を突き抜けて花を咲かせる姿は、過去を突き抜けて高次の自己に向かう私たちの姿のようですね。
断捨離をしたいのだけれど、なかなか思い切れないという場合は、物そのものが捨てられないというよりは、物にまつわる思い出や、その物にこめたエネルギーや気持ちにとらわれていると考えると、ハニーサックルの力を借りることができそうですね。
ハニーサックルは、和名を「すいかずら」、忍冬とも言い、葉をつけたまま寒い冬を堪え忍ぶ姿も彷彿とさせます。
花の香りはカクテルや香料に、樹皮や葉や種子や根や花は植物療法、生薬に使われます。
心身の両方に働きかけてくれるのです。
かたちとはたらきp.263には「茎は、地面に達すると、親植物から分かれて新しい植物として根を張り、上に向かって成長できます。」とありますが、このジェスチャーはまさに過去を振り返って癒やし、現在を生き、前に向かっていく姿を表しているようです。

今日は過去の記憶をたどり、今の自分を見つめながら、ハニーサックルのジェスチャーや持ち寄った本の記述から浮かび上がるレメディの働きについて深く考える佳き時間を過ごせました。
次回はワイルドローズです。ぜひご一緒に。
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